自己紹介

はじめまして、神戸大学産官学連携本部特命教授の竹内俊文です。私は分子の鋳型をとる技術、分子インプリンティングの技術を用いて、「生体のもつ機能を人工的に利用したり、再現したりする」研究を行ってきました。最近、その技術をベースにして、涙でがんを検出する“TearExo法”の開発に成功しました。

あらゆる細胞から、「エクソソーム」と呼ばれる小胞の放出があります。そして、正常な細胞とがん細胞とでは異なるエクソソームを放出することがわかっています。

TearExo法は涙を使用して迅速かつ超高感度で、がん細胞から放出される「エクソソーム」を測定し、がんの有無を判定する方法です。

涙の採取は痛みが伴わないため受診者の負担が軽く、自己採取も可能なことから、病院に行く必要もなくなるかもしれません。

TeraExo法が実用化されれば、40%程度*に低迷している乳がん検診の受診率向上が期待され、乳がんの早期発見につながると期待されます。(*2年の期間で40歳以上の女性が受診した割合・国民生活基礎調査2019年)

実現への思い

TearExo法を乳がん検出への活用を検討したきっかけは、治る病気で人が死ぬことに納得がいかないことが第一です。

テレビで小林麻央さんの闘病の様子を見ていて、「助かったかもしれない」などと思っていると、実は身近なところで義母が乳がん全摘手術を受けていました。

またTearExo法がテレビで紹介されたあと、直接、退院後の抗がん治療中の患者の方々から、「臨床研究に参加したい」「いつ再発するのか心配なので、自宅でチェックできないか」などの真摯な訴えをいただくこともありました。

今では本当に多くの女性たちが不安に思っていることを実感し、私たちは単にがんを克服するという医療の問題というより一種の社会問題として捉えるようになっていました。

TearExo法は本当に皆様のお役に立てると確信しています。実用化を加速して、早く皆様のお手元に届けたいと心に強く思っています。

乳がんの治療を始められた方は、治療がいつまで続くのか、経過観察期間に入っても再発の不安もあります。不安を解消するためには、通院することなく再発リスクを自分で管理できる方法が必要ですが、現状はそのような方法はありません。

強く実用化研究を推し進め、より簡便にご自身で乳がんの検出ができるよう、また、病院内でも使用していただけるよう(独)薬品医療機器総合機構(PMDA)から体外診断薬としての承認を目指します。

TearExo法による乳癌のリスク管理により、乳がんと向き合う女性の皆様が、乳がんによる死の恐怖から解放されることを願って研究開発を行っていきたいと思います。これ以上、乳がんで命を落とす人を増やさないためにも、TearExo法の実用化に向けて、臨床研究の加速を後押ししてください。皆様、応援をよろしくお願いします。

チームメンバー

竹内俊文 産官学連携本部 特命教授 
砂山博文 工学研究科応用化学専攻 特命准教授
高野恵里 工学研究科応用化学専攻 学術研究員
伊藤徳臣 産官学連携本部 学術研究員
川本乃里 工学研究科応用化学専攻 技術補佐員

堀川 諒 科学技術イノベーション研究科博士課程後期課程

連絡先

657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 産官学連携本部 302室
E-mail: takeuchi(AT)gold.kobe-u.ac.jp(ATを@に変更してください)
Phone: 078-803-6158(竹内)/ 078-803-6594(砂山)
Fax: 078-803-6158

アクセス

「阪急六甲」「JR六甲道」より神戸市バス36系統鶴甲団地行にて「神大文理農学部前」下車
ゲートを入り、左手一つ目の建物「産官学連携本部棟」3階302室

プロジェクト応援者ご紹介


30年余り乳腺外科医をしていて、沢山の患者さんを見せていただきました。
もう少し早く見つかっていたらと歯がゆく感じることも沢山ありました。一生懸命検診を受けて下さる方、ついつい検診が遠のいてしまっている方、でも受診率は100%にはなりません。

医者として大きな壁を感じてしまいます。そんな時、竹内先生を紹介していただきました。まだまだ決定打ではないにしろ、こんな検査ならみんな検診を受けてくれるんじゃないかという技術に出会えた気がします。治療が進歩しても、治ることに関しては小さく発見することには敵いません。

最新技術の開発にご協力下さい。乳がんが“治るがん”になるために。


エクソソームをバイオマーカーとした検査法は、がんや生活習慣病の診断、さらには現在蔓延しているCOVID-19の重症化の予測にも高い有効性が認められつつあります。

世界中でその実用化にしのぎを削っている中、涙液中のエクソソームに着目し、涙によるがんの検出の実用化を目指す本プロジェクトは、自己採取しやすい涙を用いるユニークな検査法として注目されています。

従来血液で行われてきた検査法が涙でも行うことができるようになれば、皆様の検査に対するハードルも下がり、がんリスクの自己管理に対する関心も高まり、皆様の健康に大変役立つものと期待されます。

皆様のこのプロジェクトに対するご支援ご協力をぜひお願いいたします。


私ども神戸医療産業都市推進機構では、健康長寿社会の実現に向けて、神戸から世界にイノベーションを発信していくお手伝いをしています。

私どもの支援案件の中には新しいがんの治療薬や診断薬もあります。例えば、がんを早期に発見することができれば患者さんやご家族の負担は軽くなりますが、今の検査では早期発見が難しかったり、検査自体が負担になったりすることもあります。

竹内先生の技術は、その中でも、涙で乳がんを高感度で早期発見するという大変画期的なものです。痛みもないため受診率の向上にもつながると期待されます。神戸で生まれたこの国産技術をいち早く実用化するため、皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

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